
1年の振り返り
今年も残りわずか。
年々成長する子ども、年々老いていく私。
嬉しさと、やるせなさを同時に感じた一年でもありました。
皆様、そして周囲の先輩方や後輩たちに感謝の年でもありました。
本当にありがとうございました m(_ _)m
家業「坂長」として
2年続いたお米の高騰。
正直、本当に助かりました。
この2年で、やっとまともな事業投資ができたと思います。
農作物は「安定」がなく、
いかに「稼げる時にしっかり稼ぐか」が重要な職業です。
しかも稲作(穀物)は、高騰する周期が野菜などよりも長く、
体感的には「1世代に1回あるかどうか」という感覚です。
つまり、小中規模の稲作農家が
農商収益で事業投資できる機会は、1世代に1回あるかどうか。
この状態があと数年続けば、
運転資金(内部留保)を確保し、
価格が下がった時にも耐えられる体制になりますが……
まず、
確実に
2026年は下がるでしょうね (T ^ T)
今年の挑戦と中止
当家では今年、
新たな挑戦と、選択を行いました。
結論としては、稲作への集中です。
そのため、菜果は家庭菜園程度とし、販売は行いませんでした。
稲作では、
- 自家製発酵肥料の施肥量を1.5倍に増量
- 自家籾殻の活用(燻炭化して散布)を強化
- ドローンを使った葉面散布によるスポット追肥
- AIの力を借りた栄養構成・散布時期の検討と実行
といった形で、さらなる高食味化に挑戦しました。
数値的な結果は昨年より上がっていますが、
気候条件の違いが大きすぎて、正直なところ判断は難しいです (^^;;
当家的には、味・米質ともに向上している気はしています。
(小さな変化なので、はっきりとは分かりませんが…(^_^;))
ただ、
この小さな積み重ねが、やがて周囲との差を広げていく
と信じています。
そして、この経験は他の栽培品にも活かせますし、
それこそが
「我が家の、他とは違う特質」
になると思っています。
まだまだ、自作面積分すら自己販売で捌けていない状況ですが、
地道に周知・販売にも励んでまいります。
農事組合法人「あきた六金」として
今年から本格始動となった、
坂長家当主が代表を兼任する 地域の農事組合法人 です。
実働は私を含めて2名。
生産は あきたこまち一本。
流通市場への出荷・販売を主とする、
営農・販売中心の会社です。
そのため、栽培は一般的な方法で行い、
特質的・実験的な栽培は行っていません。
一般販売について
一般販売は、
収穫期の 玄米30kg(発送の場合は25kg) のみとなります。
価格は、ホームセンター価格と同等です。
また、複数年契約販売として
契約期間中の固定価格販売 も行っています
(坂長としても一部実施しています)。
「毎年の価格変動に左右されたくない」
と考えている飲食店様や、大人数のご家庭におすすめです。
詳しい情報は、このHPをブックマークしていただくか、
以下をフォローしていただければ随時発信しています。
あきた六金の構想
あきた六金は、
農業を通じて地域の魅力を産業化し、
田舎でしかできない体験を、思いきり楽しめる場所をつくる
ことを目指しています。
また、特質・特化した農業者の育成や支援も視野に入れた
「構想」を持つ会社です。
現状は生産が中心で、
正直なところ生産だけで手一杯ですが、
地域を盛り上げ、地域を丸ごとブランド化する
ことを最終目的に進めています。
最後に
今年は、
「あきた六金」の存在が非常に大きかった一年でした。
作業面でも事務面でも、
作業量は2倍以上に増え、
地域や人間関係でもさまざまなことがありました (^^;;
金銭面でも、
会社から役員報酬を得られるようになり、
一気に生活が楽になりました。
そこにお米の価格高騰も重なり、
やっと まともな事業投資 ができるようになったと感じています。
先人の遺産で何とか繋いできた家業を、
ようやく自分の世代に更新し始めた
そんな感覚の一年でした。
これからも農業は、
博打的で安定性のない業界だと思います。
それでも、
後世に安定した農業を残すため、
他に負けない産業にするため、
そして皆様においしい作物を届けるため。
今後も自然と向き合い、
より良い作物を提供し、
田舎らしい田舎の発展 を実現できるよう進んでいきます。
今年一年、ありがとうございました。
皆様にとって良い年越しとなりますことを祈り、
一年の締めくくりとさせていただきます m(_ _)m
農家・坂長家 七代目
兼 農事組合法人 あきた六金 代表理事
坂本 長広
