稲作肥料

今年も例年通り我が家のお米を精米した米糠を我が家のお米も使われている酒粕で発酵させた肥料(通称ボカシ肥料と言われる)と籾摺り(玄米化作業)で出る籾殻を炭にして補助的に使い、鶏糞を主として屑大豆(製品選別から外れたもの)を副として使用しています。加えて「おいしくなる」と言う情報から有機アミノ酸液を葉面散布しています。

鶏糞は初期から中期、大豆は後期、補助的肥料(酒粕発酵米糠+籾殻燻炭)は土壌改良材、アミノ酸液は食味向上材という考えで使っています。

酒粕発酵肥料 

酒粕発酵肥料は使用資料を発見できなかったので。毎年試験的に投入量を増やして効果を探っている状態です。米糠か酒粕どちらかを肥料として使用した資料や前例は発見したり話を聞いたりできたけど、どちらも沸き(田んぼで発酵)が起こり稲の生育に影響が出る時が多いみたいで、特に酒粕は物凄いという話があったので

両方を使って先に発酵させてしまえば抑えられる?

発酵後なら稲の栄養吸収が早くなるんじゃね?

酒粕って酵母と酵素、乳酸だよな。

微生物だよな、活性化した微生物を投入するってつ土壌改良的に良いんじゃね?

しかも酒粕って多様なアミノ酸の塊みたいなものらしいし、食べる(飲む)点滴なんて言われたりしてるみたいだし、アミノ酸ていえば食物を元気にそして美味しくしてくれる要素と言われてたりもするし、入れて悪いわけはない

という想像。

調べてみたけど、当然同じことをやってる例は見当たらない、他の発酵肥料(土着菌や納豆菌)や米糠、アミノ酸液の情報を基にしながら予測を立てて使うしかない(・_・;

だからこそ少ない量からコツコツと試していく。

まぁ米糠は自分の家で精米したもの以外基本使わないから(自家循環農業って言うこともあるけど、精米所の米糠を信用していないってこともある)増やそうと思っても増やせないってこともあるんですけどねf^_^;

どっちにしろ、そのうち発酵肥料の成分分析はしないといけないなぁ〜とは感じています。

当家の発酵肥料の作り方はこちら

燻炭

加えて2年前から始めたのが、籾殻燻炭作りと散布。こちらも我が家で籾摺り(玄米化作業)の時にでたものを使用しています。田んぼに大きなドラム缶を持って行って燻炭機として使用。作ってその場で撒いていきます。籾殻燻炭は籾殻を炭にしたものなので、殺菌性+微生物生育環境改善に良いと言われています。さらに、養分化しやすい。

 

籾殻の主成分はケイ酸で、籾殻をそのまま使うと腐って吸収利用されるまで2年ほどかかります。その上、腐る過程で相当量の窒素を使うらしく、栽培時、籾殻に持っていかれる窒素分も考えた肥料設計が必要になります。

その他にも炭にすることで、籾殻に混じっている雑草の種や有害菌も死滅しますし、ガサ(容積)もグッと減ります。籾殻処分としても嬉しい!燻炭にする事で籾殻の肥料としての悪い所が消える!

注意点としては入れすぎると土の酸性度が変わるので、稲の生育が悪くなります。

畑にはめっちゃいいと思います(^○^)

だけどケイ酸多くなりすぎちゃうかな?

今度、畑でもやってみよう!(じ、時間があれば(・_・;)

尚、現状、この栽培方法は「自分の所有地である事」「管理しやすい、稲作適地」でのみ行っています。そのため生産量には限りがあります。

当家の土づくり経緯

現当主が土づくりを始めて(継承して)15年、先代は牛糞+化学肥料栽培でしたが、有機物投入年数は長いところで恐らく50年を超えています。貴重な財産です。現在その土地は「淡雪こまち栽培」に使用しています。「秋の煌めきは」有機肥料栽培3年経過圃場で栽培中です

現当主継承後の肥料経緯

1〜2年目=牛糞堆肥+化学肥料

3〜10年目=市販有機100%肥料

10〜15年目=現在の米糠酒粕発酵肥料+鶏糞+大豆。

現在の投入量(10a)

鶏糞が6袋(15kg)

コメリ購入品

大豆が30kg

窒素=5%リン酸=1%カリ=1.3%(現代農業1991/10月号・なぜ大豆はいい肥料かどう使うか より)※抑草にも効果あり

米糠酒粕発酵肥料が30kg

酒粕資料なしの為主原料の米糠で表記 窒素=2.5%リン酸=4.7%カリ=1.6%(農業技術体系土壌施肥編 第7-1巻有機物資源の特性と利用の基礎より)※抑草にも効果あり

籾殻薫炭が約300kg(上の写真の缶で3個分)

ケイ酸=51.5%炭素=30.8%酸化鉄=1.95%カリ=1.34%苦土=1.2%石灰=0.14%マンガン=0.1%(川合肥料株式会社様もみがらくん炭より)

8kg前後を目安としています。

有機アミノ酸葉面散布材

葉友(農業開発研究機構)

最後は葉友と言う有機の葉面散布材です。アミノ酸液を散布すると病気に強くなる上に「おいしくなる」と言うことで使用しています。万田酵素と迷いましたがこちらを使用しています。散布は稲の穂ができ始めた時と穂が出た時、穂が出て1週間後の3回。なるべく写真の機械で散布しますが、猛暑の中ホースを引っ張って散布するのは大変なので、ドローン散布機も使って作業しています。ホース散布は10aに1000倍液を100ℓ 。ドローン散布の場合は10aに50倍液を1〜2ℓくらい散布しています。

通常栽培(慣行栽培)

こちらは業社向け栽培品。栽培方法は一般的な栽培方法で一定基準の収穫量に重点を置いた栽培となります。

使用肥料は1発肥料と言われる田植えと同時に1回だけいれる肥料です。肥料に温度(水温)で徐々に溶けていくころもをまとわせて、段階的に肥料分が稲に行くようにしていて、春の1回の投入で収穫まで稲を育ててくれる素晴らしい肥料です。しかも、稲の生育にそって溶ける時期まで計算されているので助かります(正確には水温の累積気温によって変わるので天候によって誤差が出ます)。

まぁ場合によって追加で肥料を入れる(まく)時もあります。

追加の時期は

茎が増える時期

穂ができる時期

実が大きくなる時期

どの時期も入れる量を間違うと稲が倒れたり、病気にかかりやすくなったり、味が落ちたりと危険があります。気候や田んぼの土の栄養等にもよるので、技術が必要な作業です。

ちなみに化学肥料と言っても、有機物質から提供される栄養素と化学的には同じものです。なので正確には有機だから良いとか化学肥料だから悪いと言うことはありません。

化学肥料の場合「目的にあった成分だけ」使用でき、市場出荷基準の品質で収量を上げる栽培や美味しさを重視した栽培、両方とも有機肥料よりも手軽に行えます。

市場出荷の場合。一定基準をクリアすれば、「味」が良いものを作っても高く買ってもらえるわけではないので、生産量が重要になります。(実際私も業社出荷米は収量を重視した栽培にしています。)ただ、量を重視した栽培法は土壌のバランスが偏ってしまうこと、作物に無理がかかるせいか、病気にかかってしまう危険性が高く、農薬の使用も多くなる傾向があります。

※美味しいものを作る場合土壌改良材(ミネラル分肥料=微量要素材)が必要で重要だけど高いf^_^;

有機物は入手が困難で使い方が難しい、知識と労力がか必要だけど手に入れる費用は安い

後書き

今回この文章を書くために、改めて調べ直して、感覚と想像だった知識に根拠を付け加えられたこと。付随する新しい情報が得られたことは本当によかった。農文協の現代農業や文献には本当に感謝です。なるべく、有機と化成肥料の両面を掲載し偏った知識提供にならない様に心がけました。

有機肥料の方が体に優しいという印象は誰もが持っていると思いますし「売り文句」として強い言葉なので多用され、尚更「有機は良い」という印象が付いてしまっていると感じます。実際は有機だから良い化学肥料だから悪いではなく、どちらも目的に合った使用と正しい知識を持って栽培すれば同じなんです。

じゃあなぜ私が有機を行っているか?

それは、

微量要素肥料が高価なこと。

他人が作ったものを信用しきれないこと。

化成肥料が買えない状態(物不足など)になった時の為の保険。(地域内で肥料を入手できる環境を作っていれば生産し続けられる)

米糠と籾殻の処分、活用のため

長い蓄積効果は有機物の方が良いのではないかと感じていること。(今のところ根拠なし)

微生物環境的に良い気がするから。(今のところ根拠なし)

いろんな栽培知識を体得するため。

売り文句としての力(^◇^;)

といったところです。

結局のところ良い悪いではなく「好み」です。私はただ、この栽培法が好きだから行っているだけですし、大きく栽培するには不向きなので、有機肥料は栽培しやすく味も良くなりやすい適地だけで栽培して、他は適応力がある化学肥料を使って栽培しています。今回のこの投稿が皆さんの新しい知識となり偏見のない正しい「農業知識」「食品知識」に貢献できれば嬉しいです。

2023年1月農家坂長7代目



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